猫と暮らす人は年々増加しています。猫は散歩の必要がないので、日中は仕事で忙しい単身や共働き世帯、またシニア層にも人気があります。
さらにマンション暮らしでも飼いやすいとのニーズから、最近では「ペット可」の物件も増えつつあります。
しぐさを見ているだけでも心が和む猫との生活。
甘えて寄ってきた猫を撫でていると、こちらまで気持ち良くなってきます。でも、抱こうとしたらさっと逃げてしまったり…。
猫は、飼い主に従うという考えがほとんどない、我が道をいく動物です。
ここでは猫の特性と、上手に一緒に暮らすためのコツをお伝えします。
猫の動物的特性
猫にとってストレスのない環境を用意するには、まずは猫の特性を理解することが大切です。
「何となく知っているつもり」の知識ももう一度しっかり確認していきましょう。
狩りが好き
猫科の仲間にはライオン、トラ、チーター、ジャガー、ヒョウ、ピューマなどがいます。
このことからもわかるように、猫はもともと狩りをして獲物をとる肉食動物で、生まれつき狩りの衝動がインプットされています。しかし、現代の室内飼いの猫にとっては本当のハンティングをする機会はほとんどないため、運動不足やストレス解消のためにも、遊びとして取り入れることはとても大切です。
“縄張り”を作る
猫は単独行動を基本としていて、縄張り意識も強い動物です。
猫の縄張りの範囲は、野良猫や外で生活している猫と家猫とで違いますが、だいたい150メートル以上、最大で直径500メートル程度だといわれています。
室内飼いの猫の場合、基本的には家の中を自分のテリトリーとして認識します。家の中にほかの猫が入ると怒ることもあります。
猫にとって縄張りとは、「自分が安心して過ごせる大切な場所」です。とくに家猫にとってはおうちが縄張りとなります。飼い猫が自分の縄張りの中で安心して過ごせるよう、住まいの変化が猫のストレスにならないように注意する必要があります。
夜行性の生き物
猫の睡眠時間は平均で12~16時間程度です。
猫=夜行性というイメージがありますが、特に猫の活動が活発になるのは、夕方から夜と明け方といわれています。これは、ネズミの活動時間と重なっていると考えられています。
しかし室内飼いの猫では狩りの本能が薄まって、飼い主と一緒に夜寝る猫も言います。猫に夜ぐっすり眠ってもらうためには、疲れるまで遊ばせるのが一番良いようです。
しっかり疲れるまで遊んであげることで、飼い主様にたくさん遊んでもらったという満足感も得られますし、体力も消耗できます。
猫と暮らすためのポイント
マイペースな猫は中々私たちの思い通りには動いてくれません。
甘えたいときには甘えるし、のんびりしたいときには構われたくありません。猫と暮らす上で心がけるポイントをご紹介します。
猫が嫌がることはしない
猫は穏やかで静かな空間が大好きです。
逆に人の出入りが激しい場所や、大きな物音はとても苦手です。追いかけ回したり大声を出したりしないように気をつけましょう。
また、猫は過度なスキンシップを好みません。
猫は神経質なところがあるのでパーソナルスペースが必要と言われています。猫1匹で約半径2mほどが理想になります。
あまりにもかまいすぎると猫をイライラさせ、噛み付いたりひっかいたりする可能性もあるので、お互いストレスをためない程度に、程よい距離感を大切にしましょう。
こまめなブラッシング
ブラッシングは毛玉・ムダ毛の除去の為に行います。
猫は1日に1cm大の毛玉ボールが出来るくらい毛が抜けます。ブラッシングを放置すると部屋が毛だらけになる、猫が毛玉だらけになってしまいます。
特に気をつけたいのが毛球症。
グルーミングで自分の毛を飲み込みますが、その毛が胃で固まり吐いたり排泄できなくなる病気です。最悪手術になってしまうケースもあります。
特に換毛期のシーズンである冬前後は大量に抜けますので、こまめに行なってあげましょう。
ブラッシングの頻度ですが、長毛種は3日に一度、短毛種は1週間に一度は行いましょう。
トイレや水を清潔に保つ
猫は綺麗好きな動物で、トイレに関してもかなりのこだわりをもっています。
トイレが気に入らないと使ってくれなかったり、使いはするけど、実はストレスを感じてしまっていることもあります。
日中お仕事等で長時間家を空ける場合は複数個のトイレを設置することで常に綺麗なトイレを使うことができます。
また全自動やシステムトイレにすることで解決できる場合もあります。
またトイレの場所も、猫が普段長く過ごしているスペースに設けてあげたり、あまり周りが騒がしくない環境にするなどの配慮が必要です。
まとめ
このように猫に対する基本的なことを知っていれば、猫との幸せな生活が実現できると思います。
今一度、ご自身と猫との付き合い方を見直すきっかけになれば幸いです。